「過活動膀胱ブログシリーズ」【第5回】似た症状を示す病気との違いとは?
前回のおさらい
第4回では、治療の経過や再発を防ぐための生活の工夫についてお話ししました。
今回は少し視点を変えて、過活動膀胱と似た症状を示す他の病気について解説します。
■ 「頻尿」「尿意切迫感」がある=過活動膀胱とは限りません
過活動膀胱では、「トイレが近い」「急に尿意を感じる」「間に合わず漏れてしまう」などの症状がみられます。
しかし、似たような症状を起こす別の病気もいくつかあります。
診断を誤ると、治療方針が変わってしまうこともあります。
■ 似た症状を示す代表的な疾患
① 前立腺肥大症(男性)
尿の通り道が狭くなることで、残尿感・頻尿・尿の勢いの低下が起こります。
過活動膀胱とは異なり、排尿しにくいという特徴があります。
前立腺肥大症が原因で膀胱が過敏になっているケースも少なくありません。
② 尿路感染症(膀胱炎など)
細菌感染によって膀胱に炎症が起こり、頻尿や痛みを伴う尿意切迫感が出ます。
この場合は、抗菌薬による治療が必要で、過活動膀胱とは治療方針が異なります。
③ 糖尿病や心不全による多尿
体の代謝や水分バランスが崩れることで尿の量自体が増え、結果的に頻尿になります。
この場合は全身の病気の管理が重要です。
④ 神経疾患に伴う膀胱機能障害
脳梗塞やパーキンソン病などでは、膀胱の神経コントロールに異常が起こり、尿の我慢が難しくなることがあります。
この場合は神経疾患の治療と並行した管理が必要です。
■ 尿検査と超音波検査で原因を見極めます
当クリニックでは、症状の背景を丁寧に調べるために、
尿検査
超音波検査(膀胱・腎臓・前立腺)
などを組み合わせて行います。
必要に応じて、残尿量や前立腺の大きさを評価することで、
「本当に過活動膀胱かどうか」を明確に判断します。
■ まとめ
過活動膀胱と似た症状の病気があるため、自己判断は禁物
尿検査や超音波検査で原因を正確に見極めることが大切
適切な診断により、より効果的な治療が可能になります
■ 次回予告
次回(第6回)は、「過活動膀胱の予防と日常ケア」についてお話しします。
日々の生活でできる簡単な対策を中心にご紹介します。
