世田谷区の「前立腺健診」をご存じですか? ― 世田谷区成人保健部合同委員会に参加して感じたこと ―
昨夜、世田谷区成人保健部合同委員会に出席してまいりました。
地域医療に携わる医師として、区民の健康づくりに関わる議論に参加できたことを大変ありがたく感じています。
その中で改めて話題になったのが、世田谷区の「前立腺健診」です。
東京23区でも限られている「前立腺健診」
実は、前立腺健診を区の制度として実施している自治体は、東京23区でも10数区程度に限られています。
世田谷区では、生涯に1回、PSA(前立腺特異抗原)検査を受けることができ、区の助成により600円で検査が可能です。
PSA検査は採血のみで行えるシンプルな検査で、前立腺癌の早期発見に非常に有用とされています。
しかし、区民の認知はまだ十分ではありません。現在は企業の職域健診でPSA検査が含まれているケースも増えてきました。
そのため「会社の健診でやっているから区の健診は知らない」という方も多く、
世田谷区の前立腺健診制度そのものの認知がまだ十分とは言えない状況です。
今回の委員会でも今後どのように周知していくかという点が重要な課題として共有されました。
前立腺癌に対する誤解
外来で患者さんとお話ししていると、
「前立腺癌は進行が遅いから放っておいても大丈夫」
「前立腺癌では死なないと聞いた」
という声を耳にすることがあります。
確かに、早期の前立腺癌は比較的ゆっくり進行するケースも多いですが、
すべてがそうとは限りません。
「進行性前立腺癌」は命に関わる病気です
診断時にすでに骨転移・リンパ節転移・多臓器転移などを認める進行性前立腺癌の場合、
5年生存率は他の多くの悪性腫瘍と同様に低下します。
つまり、早期に見つかるかどうかで、その後の人生が大きく変わる病気なのです。
PSA検査による「早期発見」が重要
前立腺癌は、症状が出る前にPSA検査で偶然見つかるというケースが非常に多い疾患です。
そのため、PSA検査を受けることが早期発見の第一歩になります。
世田谷区の制度をぜひ活用してください
世田谷区では区の助成で600円という非常に低い自己負担でPSA検査を受けることが可能です。
地域の制度を活用することで、前立腺癌を早期に発見できる可能性が高まります。
当院でも前立腺健診をサポートしています
当院でもPSA検査、前立腺疾患の診断、前立腺肥大症や前立腺癌の評価
などを行っています。
また、前立腺肥大症に対する日帰りWAVE治療など、前立腺疾患に幅広く対応しています。
前立腺について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
最後に地域医療に携わる医師として、「前立腺癌を早期に見つけること」
そして「区民の皆さまに正しい知識を届けること」はとても重要な使命だと感じています。
世田谷区の前立腺健診をきっかけに、前立腺癌の早期発見につながる方が一人でも増えることを願っています。
きたじま腎泌尿器科クリニック世田谷烏山院
院長 北島和樹

