前立腺肥大症と睡眠の深い関係 ~夜間頻尿に悩む方へ~
前立腺肥大症の患者さんからよく聞かれるお悩みのひとつが「夜、何度もトイレに起きてしまう」というものです。
これは‟夜間頻尿(やかんひんにょう)”と呼ばれ、睡眠の質を大きく下げる原因になります。
夜間頻尿がもたらす影響
熟睡できない:何度も起きることで深い眠りが途切れ、疲れが取れにくくなります。
日中の集中力低下:眠気やだるさのため、仕事や趣味に支障をきたすことがあります。
転倒リスク:特に高齢の方では、夜間に暗い中で立ち上がること自体がケガにつながる危険があります。
「夜にトイレへ行く回数が2回以上」という方は、睡眠の質に影響が出ている可能性が高いといわれています。
改善のための工夫
1. 生活習慣の見直し
夕食後の水分やアルコールを控える
カフェイン(コーヒー・お茶・エナジードリンク)は夕方以降に避ける
就寝前にしっかり排尿しておく
2. 環境の工夫
足元に小さなライトを置くことで安全にトイレに行けます
トイレまでの動線を片付けて転倒予防を
3. 医学的アプローチ
薬物治療:前立腺肥大症の薬は夜間頻尿の改善にも効果を示すことがあります
低侵襲手術:薬で十分な効果が得られない場合、日帰りで行える治療(例:WAVE手術、Rezūm治療)で改善することもあります
まとめ
「年齢のせいだから」と諦めてしまう夜間頻尿ですが、実際には前立腺肥大症が原因で治療によって改善できる症状です。
しっかり眠れるようになることで、日中の活動も前向きに楽しめるようになります。
もし「夜に何度も起きてしまう」ことでお困りの方は、ぜひ早めに泌尿器科へご相談ください。
