前立腺肥大症のWAVE手術、受けるべきタイミングとは?
前立腺肥大症に対する治療法として、近年注目を集めているのが「WAVE手術(経尿道的水蒸気治療)」です。身体への負担が少なく、日帰りや短期入院での治療が可能なことから、選択肢として希望される方も増えてきました。
しかし、このWAVE手術も「いつ受けるか」によって効果に大きな差が生じることがあります。私たちが特にお伝えしたいのは、膀胱の蓄尿機能が損なわれる前に手術を検討していただくことの重要性です。
蓄尿機能障害とは?
前立腺肥大が進行すると、尿道が圧迫され、狭くなってしまいます。この狭い尿道を通して尿を排出しようとすると、膀胱は常に強い圧力をかけ続けなければなりません。その状態が長く続くことで、膀胱の「ためる力」が徐々に低下し、尿がうまく溜められずに漏れてしまう、いわゆる「蓄尿機能障害」が起きてしまいます。
この段階まで進行してしまうと、WAVE手術を含めたいかなる前立腺手術を行ったとしても、術後の尿失禁が数ヶ月から1年ほど続く可能性があります。したがって、膀胱のダメージが深刻になる前に、適切なタイミングでの手術が非常に重要なのです。
WAVE手術を積極的にご検討いただきたい方
以下に該当する患者様は、進行した前立腺肥大の可能性が高く、早期のWAVE手術を強くお勧めいたします。
- 1.前立腺肥大症の内服薬をすでに2剤以上使用されている方
- 2.前立腺肥大症の薬に加え、過活動膀胱の治療薬を併用している方
- 3.尿閉のために尿道カテーテル留置が必要となっている方
これらに該当する方は、薬だけでは根本的な改善が難しい場合も多く、膀胱への負担が積み重なっている可能性があります。早めに手術の選択肢を視野に入れることで、術後の生活の質(QOL)も大きく改善が期待できます。
お悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。患者様お一人おひとりの症状やご希望に合わせて、最適な治療プランをご提案いたします。