50代からの泌尿器ラボ【第6回】前立腺肥大症と似てるけど違う病気ってあるの? 〜その症状、実は別の病気かも!?〜
きたじま腎泌尿器科クリニック世田谷烏山院院長の北島和樹です。
前立腺肥大症の症状って、「トイレが近い」「出にくい」「残尿感がある」などが主ですよね。でも実は、これらの症状って他の病気でも起こるんです。
今回は、前立腺肥大症と“見た目は似てるけど中身は違う”病気たちを紹介します!
🦠 1. 前立腺炎(ぜんりつせんえん)
原因:細菌感染やストレス、冷えなど。
🔥 急性の場合:発熱・排尿時の強い痛み・会陰部(陰嚢と肛門の間)の痛みなどが特徴。
🌿 慢性の場合:地味な痛みや不快感、頻尿が続くことも。
💡 若い人にも多く、前立腺肥大とは発症年齢層が違うのもポイント。
🧬 2. 前立腺がん
初期は無症状が多く、気づかれにくい…。
でも進行すると前立腺肥大と似た症状が出ることもあります。
🔬 PSA(前立腺特異抗原)の血液検査や、画像検査・生検で判別します。
⚠️「肥大だと思ってたら実はがんだった」ということもあるので、自己判断は禁物!
🦠 3. 尿道炎・膀胱炎
排尿時の痛みや頻尿が主な症状。
前立腺肥大では痛みはあまりないので、「ヒリヒリする」「残尿があるけど痛い」なら、感染症の可能性が高めです。
💡 尿検査でスパッと判別できます。
🧠 4. 神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)
糖尿病や脊髄の病気、加齢などで膀胱がうまく収縮できなくなる状態。
頻尿・尿漏れ
尿が出にくい
出した感じがしない
など、前立腺肥大とソックリな症状も。
🔄 まとめ:似てるけど違う…だからこそ検査が大事!
「トイレが近い」=前立腺肥大とは限らない!
年齢、症状の特徴、発熱の有無など、いろんな情報をもとに専門医が正しく診断していきます。
次回は「前立腺肥大症って、自然に治ることはあるの?」をテーマにお送りします!