WAVE手術を受ける前に確認しておきたい3つのこと
当院では、前立腺肥大症に対する日帰り手術として「WAVE治療(Water Vapor Energy)」を導入しています。
身体への負担が少なく、通院しながら治療を進められる画期的な方法ですが、安心して手術を受けていただくために、事前に知っておいてほしい大切なポイントが3つあります。
① 術後1週間は尿道カテーテルの管理が必要です
WAVE治療では、水蒸気の熱によって前立腺の肥大した組織を縮小させます。
この治療後、前立腺は一時的にむくんで尿道を圧迫するため、排尿が難しくなることがあります。
そのため、術後は尿道にカテーテルを1週間ほど留置し、尿を外に出す管理が必要になります。
1週間後にカテーテルを抜去しますが、処置自体は短時間で終わりますので、ご安心ください。
② 合併症について
手術後、次のような症状が起こることがあります:
- i)尿道の痛みや違和感(特にカテーテルが入っている間)
ii)発熱を伴う尿路感染症:抗菌薬の内服で対応できます
iii)血尿:治療によって壊死した前立腺の組織が尿とともに排出されるためですが - 時間とともに自然に落ち着きます
いずれも適切に対応すれば大きな問題になりにくいものですが、不安なことがあればすぐにご相談ください。
③ 膀胱の状態も排尿には重要です
「前立腺の手術をしたのに、排尿がスッキリしない」というケースがあります。
実は、排尿には膀胱の働きも大きく関わっているのです。
特に、前立腺肥大の内服治療を長年続けてきた方では、狭くなった尿道に尿を通すために、膀胱が強く頑張り続けた結果、『膀胱内圧が高くなる=“高圧膀胱』の状態になっていることがあります。
このような方は、手術後に一時的な尿失禁を起こすことがありますが、多くは数か月〜1年ほどで改善していきます。
最後に
WAVE治療は、患者様の生活の質を高めるための新しい選択肢です。
ただし、効果を最大限に引き出すためには、前もってご自身の身体の状態や術後の経過について理解しておくことがとても大切です。
治療をご検討中の方は、ぜひ診察時にご相談ください。患者様一人ひとりに最適な治療を一緒に考えてまいります。